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Column 2021.09.09

トイレの個室に「使用時間」を表示。IoTによるやさしい混雑対策へのこだわり

トイレの個室が空くのを待った経験はありますか?弊社のトイレ個室に設置するサイネージ「VACAN AirKnock(エアーノック)」は、まさにそうした状況を改善するサービスですが、先日「IT media」様に取り上げていただき、多くの方々からポジティブなご感想をいただきました。

 

上記のように、SNSで大変ありがたい反応をいただいています。やはり弊社としてももっと情報発信していくべきだと痛感いたしまして、改めてなぜトイレの個室に「使用時間」を流しているのか、VACANなりのこだわりについてご紹介いたします。

なぜトイレの個室に「使用時間」を表示するのか?

本題の前に…トイレ個室のサイネージAirKnockの仕組み

まず、AirKnock(エアーノック)の仕組みについてご存知ない方のために、簡単に仕組みをご説明いたします。AirKnockは、トイレの個室の壁面に設置する10インチ程度の小ぶりなデジタルサイネージです。サイネージには、その個室の使用時間や、他の個室がどれだけ埋まっているか、施設からのお知らせなど各種情報が表示されます。

サイネージの表示は、例えば5個室あるトイレで自分の入っている個室以外が空いているなら「空いています 残り個室4/5」となり、すべて埋まっているなら「満室になりました 残り個室0/5」。使用時間は「現在の滞在時間 60分以上」のようになります。

サイネージに利用状況を表示

サイネージの表示タイミングや利用状況の検知は、個室のドアに設置された手のひらサイズのセンサーで行われています。また、トイレ個室の空き状況はサイネージ以外に専用サイトなどを通じて遠隔で確認することもできます。少しそれますが、VACANでは検知精度を上げるための技術で特許を取得しており、そうした過去の蓄積がフルに生かされているサービスでもあります(詳しくはまた別の投稿で触れられればと思います)。

センサーをドアに設置

 トイレが混む原因の一つは、長時間の個室利用

先のIT media様の記事でも触れていただいていますが、AirKnockはトイレの利用状況を「これから利用しようとしている人」だけでなく、「いま利用している人」に向けても届けている点に特長のあるサービスです。

トイレが混む原因はいくつかありますが、重要な一つに「長時間利用」があります。もちろん、必要があって長時間利用されている方は別ですが、VACANが見てきたケースの中だけでも、個室内で数十分もゲームをしているせいで外には個室が使えず困っている人がいる…なんてことは珍しくありません。AirKnockは、個室内にいる方に外の状況を伝えることで、自主的な退出を促し、不必要な長時間利用を減らすことを目指しています。

 使用時間を表示するとトイレの長時間利用が減った

といっても、利用状況を表示するだけで効果があるのか疑問に思われると思います。そこで、VACANでも実証実験を行いました。東京23区内のオフィスビルで2020年、AirKnockを設置する前後での個室の利用状況の比較を行いました(AirKnock設置前はセンサーのみ設置して利用状況を計測しました)。すると、30分以上の利用が64%減。30分以上だけでなく、20分以上も43%減、15分以上も29%減と、確かに長時間利用の抑制に効果があることがわかりました。実証実験に使用したトイレは24個室でしたから、1か月20営業日換算で考えると、トータル359時間もの時間を削減できたことになります。

やさしいアプローチでの混雑抑止にこだわり

トイレからの「追い出し」は避けたかった

ここまで長時間利用をいかに抑制するかというお話をしてきました。ただ、VACANは必ずしも長時間利用すべてが悪いことだとは考えていません。体調不良などやむをえない理由でトイレにこもられる方もいるからです。

VACAN Airknock(エアーノック)に限らず、世の中にトイレの混雑解消サービスはいくつかあり、その方法は様々です。例えば、個室利用が一定時間をすぎるとチャイムなど警告音を鳴らすものや、トイレ内を圏外するものなどで、シチュエーションによってはそれらも有効な方法ではあります。しかし、きつめのアプローチではありますから、VACANとしては「追い出し」にならない優しいアプローチをとれないだろうかと考えました。そこで採用したのが「使用状況を把握して、自主的に判断いただく」という方法でした。

やさしさを大切にするのはVACANのミッションでもある

ところで、VACANのミッションは「いま空いているか 1秒でわかる やさしい世界をつくる」です。トイレに限らず混んでいて待たされると人はいらいらしがちですが、IoTとAIによる混雑可視化でどこが空いているかすぐわかるようにし、人が人にやさしくいられる世界をつくろう…といった想いが込められています。

IT mediaの記事では、弊社代表の河野がやさしいアプローチについて話していますが、AirKnockの開発にあたってのこの部分へのこだわりは社員も強く、普段掲げているミッションゆえということかもしれません。

とはいえトイレ向けの開発は結構苦労した

もっとも、開発は順調にいったわけではありません。トイレ個室の利用状況はドアに設置したセンサーで取得していますが、ドアには使っていないときに開いている形式・閉まっている形式がありますし、バリアフリートイレのような引き戸もあります。トイレの環境は意外なほど様々ですが、種類の異なるセンサーを組み合わせるなど試行錯誤を続け、今では安定した精度を出せるようになっています。

ドアの形状は場所により様々

AirKnockのやさしいアプローチでトイレの長時間利用を抑止

オフィスへの通勤も業種によっては復活しているようで、企業の総務などの方からAirKnock(エアーノック)のお問い合わせをいただくことも増えてきました。オフィスやその他施設でトイレの利用が本格的に増える前に、今のうちから混雑対策を検討されてはいかがでしょうか。その際はぜひ、やさしいアプローチで長時間利用を防ぐVACAN AirKnockを候補に入れていただければ幸いです。

AirKnockの設置に関する詳細はこちらからご覧いただけます。