Case study
混雑の可視化により、お客様の満足度の底上げを。客室用タブレットに代えて、バカンの導入を決めた理由
鴨川館 さま
大浴場や朝食会場、チェックインラウンジなど複数の場所の混雑をリアルタイムに可視化している鴨川館さまに、導入に至った経緯や導入による効果をお聞きしました。
導入サービス:VACAN AIS(アイズ)
導入箇所:大浴場、チェックインラウンジ、チェックインカウンター、温泉プール、朝食会場
インタビュー:鴨川館 広報企画課 永井様
・客室に設置していた情報配信用タブレットの管理の手間・運用コストの負担が大きい
・フロントや朝食会場、大浴場など複数箇所の混雑を可視化、配信したいが予算などに制約がありスピーディーに導入を進めにくい
・複数の混雑検知の選択肢があり、予算や場所によって柔軟に可視化の方法を選択できる
・2次元バーコードをお客様にスマホなどで読み込んでいただくだけでサービスを活用いただけるので、タブレットやテレビへの配信に比べて運用が楽。
・美観を損なわない。2次元バーコードを紙に印刷をして置くだけで運用ができるため、和室など雰囲気が大切な空間でも違和感なく運用ができる。
・お客様の満足度向上に寄与
リアルタイムの混雑情報を配信し始めたことで、お客様から「コロナ対策をしていると感じる」との声をいただくことがでてきた。予約サイトなどの口コミなどで評価される事例も出ている。
・タブレットなどの機器を活用していた時に比べ、問い合わせが減少
ご自身のスマートフォンで混雑情報を表示する形式になっているため、タブレットなどの電子機器を使って混雑情報を配信していた時に比べ、使い方や表示のさせ方がわからないといったお問い合わせの数が減少。その分、お客様の満足度を上げるための施策に時間を使えるようになった。また、いざ見ようと思った時に充電が切れていたなどの課題もなくなった。
・混雑情報の発信により分散化の期待ができる
能動的にフロントや大浴場、朝食会場の混雑情報を発信できるようになったことで、お客様の利用タイミングの分散化が期待できる。実際に受付の混雑情報を発信し始めてから、以前に比べて混雑が分散されてきたようにも感じている。
ーどのようなきっかけでバカンを知ったのでしょうか。
私たちの施設では、コロナ禍が始まる前から混雑状況を可視化する取り組みをおこなっていました。
2019年のリニューアルオープン時に、屋上に温泉ぷーろ「HARUKA」という海が一望できる温泉プールを新設しました。チェックインされるとすぐにそこにいかれるお客様が多くいらっしゃいます。 そうすると、どうしてもお客様が利用される時間帯が被ってしまうことが多く、更衣室やプールが混雑してしまうといった課題がありました。
そこで、部屋のタブレットから混雑を確認できる仕組みを導入しました。プールだけでなく、朝食のビュッフェ会場の混雑も見えるようにしていました。それから1年ほど運用したところで、新型コロナウイルスの感染が拡大してきました。そこで2つの課題に直面します。
1つ目は、除菌作業による管理・運用コストの増加です。これまでも、タブレットを含めお客様にご利用いただく客室内は清掃を徹底してきましたが、感染症対策のため除菌作業が新たに加わりました。
タブレットも例に漏れず除菌の対象だったのですが、本体やカバー、充電機器などを関連機器1つ1つに対して除菌するのは大変手間がかかることがわかってきたのです。
2つ目は、混雑の可視化が追加で求められたことによるコストの増加です。これまで混雑を可視化していたプールや朝食会場に加え、ほとんどのお客様がご利用いたくだく大浴場やチェックインラウンジ、チェックアウトカウンターなど混雑しうる場所の可視化も求められるようになってきました。
しかし、一方でチェックインラウンジなどは常に人がいるため、これまで用いていたようなカメラやセンサーを使った自動検知ではなく、もっと簡易的な方法でも十分ではないかと考えていました。導入コストを考えても、カメラやセンサーを多数導入する負担は少なくありません。
そこで、これらの課題を解決できるサービスを探していた時にバカンのサービスを見つけました。
ー導入の決め手を教えてください。
管理や運用が楽という点と、場所や環境によって柔軟に混雑検知の方法を変えられたことが導入の決め手です。
バカンのサービスは、館内や部屋に設置された2次元バーコードをお客様のスマートフォンなどで読み込んでいただき、手元で混雑を確認していただく仕組みです。2次元バーコードが書かれた紙を部屋に置くだけで良いため、タブレットなどの機器を清掃・除菌するといった管理の手間が劇的に減少します。
またタブレットの場合は、充電の確認や機器トラブルによるお客様からのお問い合わせ対応など除菌以外の対応もありましたが、それらもなくなりました。
これによりお客様へのサービスや接客など、よりお客様に価値を感じていただくための活動に時間を使えるようになります。また2次元バーコードさえあれば混雑情報をどこからでも手元で確認できるため、さまざまなシチュエーションに対応ができます。
朝食を食べながら大浴場の混雑をみたり、外出先からプールの混雑を確認したりといったことができるようになるわけです。
次にバカンではセンサーだけでなく、3つのボタン操作だけで混雑を可視化できる機器を使うなど、複数の混雑検知の選択肢があります。
私たちの場合は、温水プールや大浴場はセンサーを使って自動的に検知していますが、朝食会場やチェックインカウンターは担当者がボタンを押して可視化しています。そのため、さまざまな場所の混雑状況をコストを抑えつつ可視化でき、お客様に安心して過ごしていただける環境をスピーディーに整備できました。
ー導入により感じている効果を教えてください。
お客様から「コロナ対策をしていると感じる」との声をいただけているのは、導入してよかったことの1つです。
新型コロナウイルスの影響で、以前に増して混雑のない環境が好まれるようになっています。そんな中、スペースを広げるといった大掛かりな対策をする前に、お客様に安心していただくための打ち手を打てるのはありがたいです。
またご自身のスマートフォンで混雑情報を表示いただく形になっているため、使い方や表示のさせ方がわからないといったお問い合わせの数が減りました。
電子決済などが広まってきていることで、2次元バーコードに対する認知度が向上していることも影響しているでしょう。導入してから、1〜2件程度しか使い方に関する問い合わせもきていません。
またもう1つは、部屋や施設の雰囲気を壊さないことです。例えば、タブレットを使用する場合、和室であれば雰囲気に合わせてタブレットにカバーをつけたりしてきました。和室に限らず旅館など雰囲気が重要なシチュエーションでは、環境に合わせた対策が必要な場合も少なくありません。
しかし2次元バーコードであれば、チェックインの際に館内説明資料などに掲載することで景観や雰囲気に関する心配はなくなります。
最後にこれは副次的なメリットなのですが、タブレット自体が通信を必要とするものだったので、それを無くしたことで施設のネットワーク回線をより快適に使えるようになりました。
館内でWi-fiなどの施設のネットワークを使われる方が以前から多かったことに加え、リモートワークといった新しい働き方が広まったことでネットワーク環境の重要性はより高まってきています。
そんな中、通信環境の改善を図れることは嬉しい点ですよね。
ー今後取り組んでみたいことはありますか。
混雑情報の可視化は、お客様にきちんと知ってもらい、見てもらってこそ意味があるものです。お客様にさらに知っていただけるように、情報の見せ方などを引き続き工夫していきたいと考えています。
また受付の混雑可視化も取り組んでいるので、そういった部分の情報をお客様に届けることでいらしてからお帰りになるまで混雑によるご不便を少しでも減らしていきたいです。
これまでチェックイン・チェックアウトのリアルタイムの混雑情報をお届けすることは、ハードルが高いことでした。しかし現在はボタンを操作することで、簡単に発信できます。
実際に受付の混雑情報を発信し始めてから、以前に比べて混雑が分散されてきたようにも感じています。
宿泊者の方全員が見ていなかったとしても、何%かの方に見ていただき自主的に空いているタイミングで来ていただけるだけで、混雑抑制という点では少なくない効果があると考えています。お客様にとっても、閲覧の有無に関わらず混雑を見られることで、行動の選択肢を増やせます。
今後もお客様に快適に過ごしていただけるよう、混雑可視化を組み合わせた工夫を重ねていきたいです。
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