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Case study

JR東京駅構内で飲食店の混雑情報と館内マップを組み合わせて表示させることで、利用者の満足度を向上

JR東日本 クロスステーション さま

業種
小売業
活用場所
商業施設

今回は混雑情報配信プラットフォーム「VACAN(バカン)」、AIカメラ「VACAN AIS(バカン アイズ)」デジタル整理券サービス「VACAN  Noline Q ticket(バカン ノーライン キューチケット)」を用いて、商業施設内の飲食店の混雑可視化や抑制をおこなっているJR東日本 クロスステーション様にお話を伺った。同施設がサービスを導入した背景や効果とは。

導入サービス:

・混雑情報配信プラットフォーム「VACAN

・混雑可視化AIカメラ「VACAN AIS(以下、AIS)

・デジタル整理券サービス「VACAN Noline Q ticket(以下、Q ticket)

導入箇所:グランスタ東京・エキュート内の飲食店、JR東京駅構内のデジタルサイネージ

導入前の課題

  • 施設が広く飲食店が点在しているため、利用者の方に飲食店の場所をより分かりやすく周知できる方法を探していた。また行ってみなければ空いているかがわからないことによるユーザー満足度の低下を防ぐ方法が求められていた。
  • 駅チカという施設の特性上、利用時間帯によって大変混雑することがあり、施設内における混雑の分散化や平準化の重要性が高まっていた。
  • 「東京駅=いつも混んでいる」というイメージを持たれてしまうことで、利用者が少ない時間帯があるにも関わらず利用を敬遠されるなどの機会損失が生じていた。

導入の決め手

  • 混雑の検知・配信が自動でできる
    AIカメラを設置することで、基本的に従業員などは何も操作をしなくとも混雑状況を自動的に検知・配信できる点。従業員のリソースを圧迫せずに活用できるため、導入に対するハードルが低かった。
  • 混雑状況や待ち人数などを分かりやすい形で表示できる

AIカメラ「AIS」や行列管理用タブレットサービス「Q ticket」など複数のIoTサービスを導入したが、異なる方法で取得した混雑データを「〇〇組待ち」「混雑」「やや混雑」といった統一した指標で表示でき、利用者にとって分かりやすい形で配信できる点。また配信先もデジタルサイネージやWebページなど柔軟に対応できた点も決め手の1つとなった。混雑情報と共に施設内の地図も表示させるといったカスタマイズもでき、満足度向上が期待できた。

  • 混雑データの取得・蓄積

これまでは各店舗の混雑状況をリアルタイムに把握するのが難しかったが、サービスを導入したことで時系列に沿って店舗の混雑状況や傾向といった混雑データを得ることができる点。

導入後のメリット、効果

  • 利用者アンケートなどでお褒めの言葉が増加

サービスを導入してから、施設でとっている利用者アンケートで混雑可視化・抑制に対するポジティブな声が増加。また「店舗に行ったら混んでいて入れなかった」ケースに対してお客様から改善の声をいただくことがあったが、サイネージを通して行かずとも混雑状況を確認できるようになったことでそれらが減少した。顧客満足度の向上に効果がでていることを確認できた。

  • 混雑データを人員の最適配置に活用

これまで取れていなかった混雑データを取得できる様になったことで、肌感覚ではなく実績として混雑ピークなどを確認できるようになった。それらのデータを活用し、混雑時の案内人員の人数や配置場所などをデータに基づき効率的に配置するなど、業務の効率化が期待できる。

  • 「ながら待ち」による動線の増加効果
    店頭ではなくオンライン上で順番待ちができるようになったことで、待ちながら買い物をしたり、施設内を歩き回ったりと利用者の動線が増えるといった効果が期待できる。

導入インタビュー

ー導入のきっかけを教えてください。

グランスタ東京やエキュートはJR東京駅構内に位置する商業施設のため、時間帯によっては非常に多くのお客様がご利用され、飲食店を中心に混雑が生じていました。

また飲食店が複数のエリアに分かれて点在しているため、「店舗の場所を把握するのが難しい」、「行ったら空いていなかった際に、別の店舗を探す手間がかかる」などお客様の満足度向上の観点から伸びしろがありました。

そこで施設内の飲食店の混雑状況をリアルタイムに検知し、お客様が店舗の位置などと一緒に簡単に確認できるような方法を検討していたところVACANのサービスを見つけました。

ー導入の決め手を教えてください。

導入する上で決め手となった点は大きく3つあります。

1点目は混雑検知にかかる手間が少なく、導入のハードルが低かった点です。AIカメラを導入した店舗では店舗の天井にカメラを設置すれば、自動的に店舗内の混雑状況を検知・配信までおこなえます。また店頭にタブレットを置いて利用するデジタル整理券サービス「Q ticket」も、人手がいる工程が少なく店舗としても既存のオペレーションに大きな変更を加えることなく混雑を可視化・管理できます。

飲食店においては、手間がかからないことが導入にあたって非常に重要なポイントになってきます。VACANサービスが持つ手間のかからないという特徴は、導入するうえで後押しとなりました。

2点目はユーザーに分かりやすく混雑情報を届けられる点です。本施設では混雑可視化のために店舗環境などに合わせてAIカメラやタブレットなど複数種類のサービスを活用しています。これらの異なる種類のデバイスから得られた混雑データを、VACANでは簡単に「何組待ち」「混雑」「空いています」といった同じ表記で配信できます。またデジタルサイネージにまとめてそれらの情報を表示することもできます。

もしこれがデバイスによって別々の方法や表現で配信された場合、利用者が混乱するリスクがあります。検知方法によらず統一した表現で混雑を可視化できるのは、利便性や満足度を考えると重要です。

最後の決め手は、混雑データを取得・蓄積できる点です。これまで「いつ最も混んでいるか」などのデータを時間単位で精度良く検知するのは簡単ではなく、肌感覚で予想することも少なくありませんでした。

一方でVACANでは、自動的にデータを取得し蓄積できます。そうすることで、これまで感覚からデータを重視した考え方に変えられるのは魅力的でした。

ー導入したことによる効果やメリットを教えてください

まずお客様からのアンケートにおいて、混雑可視化の取り組みについてポジティブな反応が多く確認できました。また施設内のデジタルサイネージを、多くのお客様が見ていただいている光景もよく目にします。

データ活用の観点でも、時間毎に取得した混雑データを基に人員配置などに活かすことを検討しています。例えば、これまでゴールデンウィークなど利用者の数が大幅に増加する時期では係員を施設内に配置し、混雑を抑制する取り組みをしてきました。その際に、混雑データを活用し配置するタイミングや人数、シフトを最適化することで、効果の最大化や人員コストの削減などができるのではと考えています。

あとは導入によって混雑を避けるだけでなく「ながら待ち」をできるようになり、お客様の時間の価値を最大化できるようになったことです。これまでは待っている間、店頭から離れることができずその場に留まる必要がありました。

しかしデジタル整理券によって店頭ではなくオンライン上で待てるようになり、呼び出されるまで買い物をしたり別の場所を見たりといった「ながら待ち」ができるようになったわけです。

施設側としても店頭にいずとも待てるようになったことで、購買体験をお客様にこれまでよりも提案できるようになります。これは明確なメリットです。今後、デジタル整理券の混雑データをより活かせる方法を引き続き探していきたいです。