「部屋から混雑確認」でお客様に上質な体験を。老舗温泉旅館の挑戦

武田信玄公隠し湯の里である下部温泉郷。同温泉郷にあり、2つの源泉と12の湯船が楽しめる「下部ホテル」に今回はお話を伺った。石原裕次郎氏も療養に訪れるなど、ホスピリティにも力を入れる同ホテルに、VACANを用いた混雑可視化についてお話いただきました。

 

導入サービス:宿泊施設向けVACAN

導入箇所:館内の大浴場(男・女)、レストラン

インタビュー:下部ホテル 矢崎様

 

価格と機能性が導入の決め手

ーどのようなきっかけでVACANを見つけられましたか。

私たちの旅館も緊急事態宣言を受けて、4〜6月の2ヶ月休館していました。その際に営業再開を見据えて行っていたのが、感染症対策のリサーチです。これまで経験したことのない事態だったので、何をすればいいのか検討がつきませんでした。

 

そうして調べている際に、他のホテルで大浴場やレストランの混雑情報をリアルタイムで宿泊者の方がスマホから確認できるようにすることで、密の回避を行なっている事例を見つけたのです。その会社は自社開発していたので、同様のサービスを提供している企業をインターネットで探したのが、VACANを知ったきっかけです。

 

ー他の企業とも比べられましたか。

他にも似たサービスを提供している会社は何社かあったので、費用や機能などで比較しましたその中で、正直一番の決め手になったのは費用の部分ですね。

 

感染症対策で対策をとる必要性は感じていたものの、再度緊急事態宣言がされる可能性も含めて今後不透明な部分が多い中、導入だけで数百万円をかけるのはなかなか難しい。そういった点で、VACANは導入費用が最も現実的なラインだったので決めました。

 

またホテルや旅館など同業種でもすでに導入されていましたし、東京駅の商業施設で飲食店やトイレに導入されるなどの大規模導入の実績もあったので安心感がありました。

 

ー価格によって機能が違うと思うのですが、機能面では悩まれませんでしたか。

私たちが求めていたのは、シンプルな操作性を持っていることと混雑情報をリアルタイムに可視化できることでした。そのニーズに対しては、VACANは十分対応しています。

 

もちろん目的や規模によって求められる機能が異なる部分はあると思いますが、当旅館では機能面で足りないと感じたことはありません。混雑を可視化し、お客様が密を回避できる環境を整備することが目的だったので、それを求めているユーザーにとっては十分機能は足りるのではないでしょうか。

 

限りなく制約のない宿泊を提供するために 

VACANを導入する前は、どのような対策をしていたか。

導入前の7月は浴室の脱衣籠を間引いて利用人数を制限するようにしていました。また共用のアメニティを撤去し、お客様同士の接触が極力少なくなるようにしていました。

 

また入り口にスタッフを1名配置し、入浴者数を数えて密になりそうな場合は外でお待ちいただくように案内したりなどの対策も宿泊者が多い時は行っていました。

 

またお客様ごとに施設を利用できる時間を分け、「その時間に来てください」といった制限を設けるといった案も出ていました。

 

ーその時どのような課題がありましたか。

密対策という今まで考えたことのない施策を考える中で、お客様に安全性と快適性を同時に提供できる形を見つけるのに苦労していました。

 

特に温泉の密対策には、頭を悩ませました。当館は温泉が一番の売りであるため、ご宿泊いただくお客様の中には温泉を楽しみにいらっしゃる方も多いです。

 

無闇やたらに制限をかけてしまうと、お客様に快適にお過ごしいただけなくなることは明白でした。お客様に不快な思いをさせてしまうということは、2度と当館に来ていただけないリスクを発生させうることでもあります。

例えば脱衣籠を間引いたり、入り口で人数制限を設ければ密をある程度防げますが、大浴場に行って籠が空いていなかったり、人が多すぎた場合、お客様は部屋に再び戻らなくてはいけません。これは快適性の観点で考えると、明確にマイナスです。

 

同様に入浴時間も制限すれば、確かに密にはならないでしょう。しかしそれは同時に、お風呂が好きなお客様に、「安全のために30分で出てください」と半ば強制的に出ていただくということです。

 

このように当時行っていた対策はどれも、一定の安全性を担保できるものの快適性の観点で大きな課題を抱えていました。

 

その点、お客様がリアルタイムに混雑情報を確認できるようすることで、ご自身で行動を選択できる環境を提供するアイディアは魅力的でした。お客様に可能な限り制限を与えず、密を回避できる形は、お客様にとっても当館にとってもWin-Winな形だと捉えています。

 

お客様への負担軽減を実現

ーどのようにVACANを活用されていますか。

大浴場とレストランの混雑可視化に活用しています。

 

レストランも時間を分けてお客様をご案内することで、密を回避して安全にご案内することはできます。しかし、大浴場と同様に安全性を担保したままお客様に快適に過ごしていただける環境を目指して、お部屋から混雑情報を確認できるようにしています。

 

ー導入するにあたって、気になっていた点はありますか。

導入コストがもっとも気になっていました。

 

導入するとなると、金銭的なコストだけでなく機器の設置の有無や操作方法の習得難易度などの時間的コストの程度によって、導入側の負担が大きく変わってきます。そういった総合的なコストが、どの程度導入側に発生するのかは気になっていました。

 

実際には混雑検知の機器は浴室の外側に簡単に設置できるものでしたし、導入に伴う大規模な追加工事も必要ありませんでした。システムの操作も非常にシンプルで、従業員側に追加のオペレーションはほとんど発生しません。そのため、安心して導入できました。

 

新しくシステムを使い始める場合、導入だけでなく運用にのせられるかも重要です。その点、VACANでは導入側もほとんど操作が発生しないので、新たなオペレーションを考える必要もなく、楽に運用できています。

 

ー導入により、どのような効果を感じていますか。

大きく2つあります。1つ目は、お客様に利便性を感じていただけていることです。「リアルタイムの混雑情報を簡単に見られるようになって便利」といったお声をいただくことが多いです。

 

今までお風呂やレストランの混雑情報を知るには、実際に現地に行ってみるかフロントにその都度電話をかけて確認するしかありませんでした。それがスマホから簡単に確認できるようになったことで、時間的にも、心理的にも手軽になり満足度につながっているのではないでしょうか。

 

今のところ、使い方などについて質問や苦情などもありません。

  

QRコードを読み込めば使えますし、見ることに特化しているためクリック操作がほぼ必要ないことが使いやすさに繋がっていると考えています。電子決済やGO TOクーポンなどでQRコードが普及したおかげか、読み込みに苦労される方も少ない印象です。

 

2つ目は、お客様や快適な環境づくりにより力を入れられるようになったことです。例えば導入前は大浴場の密対策として、混雑が予想されるタイミングでは、入り口に入浴者の人数を数えるための人員を置いていたこともありました。

  

しかしVACANを導入し、混雑情報をリアルタイムに配信できるようになったことで、人を置かなくとも自然とお客様に分散利用いただけるようになりました。それにより、今まで感染症対策に使っていた時間や人員を、密対策以外のお客様に快適に過ごしていただく施策に使えるようになったわけです。

  

旅館の本質的な目的は、お客様に快適に過ごしていただくことです。その視点で考えると、今回の導入によりお客様にかける制限や負担を少なくできましたし、お客様への接客という本来の仕事に使える時間が増えたのは、大変嬉しいことです。

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