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Case study

コロナ禍で少しでも安心して来てほしい。人気ラーメン店が見据える、VACANを活用した今後の飲食店のあり方【インタビュー】

ラーメン巌哲 さま

業種
飲食業
活用場所
店舗

新型コロナウイルスの流行で、混雑・行列が当たり前だった有名ラーメン店でも、そこから180度発想転換せざるを得なくなりました。そこで早稲田の有名ラーメン店「ラーメン巌哲」では、お店の空き状況をリアルタイムで配信する「VACAN」をご利用いただき、お客様をなるべくお待たせせず、できるだけ安全な環境で食事をしていただくための取り組みが始まりました。

ラーメン巌哲の外観と店主平松さん

新型コロナウイルス流行前夜、繁盛店としての日々


新型コロナウイルスが流行する前は、おかげさまで繁盛店として忙しくさせていただいておりました。納得のいく商品を提供すれば、自然とお客様が来てくださる状況で、店側としてはそれをどれだけ捌けるか、捌けない場合は店内や店外に並んでお待ちいただく状況でした。当店は最寄り駅からやや遠く、お客様にもわざわざ目指して来てくださる方が多かったので、場合によってはある程度お待ちいただくことも想定して、ご来店いただいていたように感じます。

店のキャパシティを越えるご来店は、基本お待ちいただいて、空き次第ご案内する。コロナウイルス流行以前は当店に限らず、それが繁盛店にとってはごくごく当たり前の光景だったと思います。お客様と店の間にも、そういうものだという暗黙の了解のようなものがあったと感じています。店側も精一杯回しているわけで、最善を尽くした結果であり、申し訳ないとは思いつつも、お客様に甘えているその光景が当たり前と思っていた節もありました。

ラーメン巌哲の肉醤油

行列を作って、お客様をお待たせすることが不可能になった


以前は、店内にも最大7人までお待ちのお客様をご案内して、雨や風・日差しなどを凌げるようにして、外でお待ちいただく場合も少しすれば店内に入れるような状況でした。しかしながら、新型コロナウイルスの流行により、密集できない・お客様同士の距離を取らなければならないなど、店内に多くの人をご案内することが難しくなりました。

特に当店の場合、カウンター席の端はお待ちのお客様との距離も非常に近く、店内に1人や2人のお待ちなら問題ないですが、それ以上になると気になって食事もしづらいのではとの懸念もありました。それならばと、店内待ちは1組2人までに変更したものの、今度は多くのお客様に外でお待ちいただくしかない状況に陥りました。いくら天候が悪くても、そうせざるを得ません。


従来のラーメン店経営の考え方から、180度方針転換へ


ラーメン店は元々、多少は行列ができるような店を目指すのが、従来の考え方です。お待たせしないに越したことはありませんが、行列が更に客を呼ぶとも言われるように、ある程度の混雑が繁盛店の条件でもありました。多少のお待ちがある状態でどんどん回していく、ひっきりなしにお客様がやってくる、そのような状況を作り出すことで、客単価の比較的低いラーメン店でも数をこなして売上をそれなりに伸ばすことが可能でした。当然、当店もそのような店作りをしており、なるべく回転よくできるよう一生懸命やってはいますが、多少のお待ちがあるのが望ましい状況だったんです。

しかし、今回の新型コロナウイルスの流行で、それが根底から覆されました。混雑したらダメ、お待ちいただくにしてもお客様同士の距離を取らなければならない、一体どうしようと思いました。ただラーメン店にとって運が良かったのは、ラーメンは基本的にテーブルを囲んでするような食事ではなく、何人でご来店いただいても基本的に独り食事で比較的短時間で済むカウンターの店が多いので、飲食店としては対策が立てやすい方だったことです。

具体的には、席数を減らして間隔を空け衝立を立てる、消毒や換気を徹底するなど店内の見える部分の対策は実施してきました。しかしながら、特に座席数を減らして店内待ちの人数も減らした結果、全てのしわ寄せが外待ちのお客様にいってしまう状況に陥りました。座席数も減ったし店内待ちの人数も減った、そうやって店内が密にならないよう帳尻を合わせた結果、多くのお客様に外でお待ちいただくしかなくなったわけです。それをそのままにしていいのか、そんな想いがありました。コストをかけて感染症対策をできるだけ万全にしていった結果、負担を被るのがお客様だけになる状況は不公平じゃないかと思ったんです。それはコロナ禍においても営業したい、店側の都合でしかないからです。

ラーメン巌哲の内観

VACANでお客様に自発的な分散を促し、負担を減らしたい


お店の空き状況をリアルタイムで配信するVACANを導入したきっかけは、たまたま担当者が当店のお客様だったからです。店内のコロナ対策を万全にした結果、お客様にお待ちいただく状況が過酷になってもそれを変えられないのであれば、混んでいない時に来店していただくのがいいのではと思い、以前からお話を聞いていたこともあって導入を決めました。

【VACANの仕組み】
Web上から、お店の空き・混雑具合がわかるサービスです。お店側で混雑具合を確認してボタンを押す、または管理画面から入力すると、そのステータスがWeb上に反映されます。
VACANトップページ:こちら
ラーメン巌哲様の店舗詳細ページ:こちら

素人目ですが、今回の新型コロナウイルスに対しては次々に新しい情報が出てくるので、万全な対策は正直無理だと思っています。今までの常識が通用しなくなった世の中において、自分たちが飲食店・ラーメン店であり続けるために、最適で無理のない営業形態を自分たちで作るしかありません。でも誰も正解なんてわからない、であればいいと思ったことは全部やるしかない、そこから経験則に落とし込んだり自分でデータ化して取捨選択する。その取っ掛かりとして、お客様との穴を埋めるためにVACANが魅力的に感じました。

期間限定ラーメンなどをやっている場合は、それを目指してくるお客様が多いので混雑します。その場合、最初から最後まで満席ですので、空席情報の発信自体は必要ないです。お客様としては待つことをある程度覚悟した上でのご来店ですので、距離を取る・消毒のお願いなどの感染症対策をしっかりすればいいわけです。

しかし常に混雑している特殊なケースを除いた場合、お客様には混んでるか空いてるかなんて知る由もありません。フラッと食べに来たお客様に対して野ざらしでお待たせするよりは、VACANで空き情報を発信して来店の判断材料にしていただくことで、ある程度の配慮になるのではないでしょうか。基本的に店の状況を見てボタンを押すだけなので、運用も非常に簡単です。店のオペレーションに、大きな影響を与えることもありません。

他にピンと来たのは、混雑の平坦化を目指すところです。結局、トータルでご来店いただくお客様の数が変わらなければいいだけで、そういう考え方もあるのかと思いました。前述した今までのラーメン店のセオリーとは真逆ですが、店内の感染症対策によってお客様の負担が増えた今の状況では、それを少しでも軽減するために、空き状況の発信はラーメン店に限らず取り組む必要性が、飲食店側に出てきてしまったのではと思っています。それによって、なるべく人混みに近づかないような配慮もすることができます。

既にVACANを見て来店したお客様からの声もあり、特に常連さんはほぼ全員が見てくださっているようで、まだ導入したばかりですが少しずつ効果を感じています。混んでいても気にしない常連さんは今まで通り足を運んでくださいますし、混雑を気にする常連さんは最初から空き時間を狙って来てくださるようになりました。

ラーメン巌哲で使っているボタンイメージ

まずは感染症対策、いずれ効率的な店舗運営に繋げたい


今は特に常連さんに対する感染症対策がメインですが、いずれはより効率よく店舗を運営して、売上向上にも繋がればと思っています。空き情報を見て、今まで余裕があった時間にもお客様が来てくださるようになれば、店内にずっと人がいる状況が作り出せます。時間はかかりますが、コンスタントにお客様が来てくださるようになることで暇な時間がなくなれば、売上もいつか伸びていくと思います。

また今後は、VACANを使うことで新規のお客様に対して提案したり、より安全に食事していただくための形を作ってユーザーが増えることで、VACANのサービスとしての機能が拡充されたり、店側としても選択肢が増えることで相乗効果が生まれ、また更に何か新しいことができるんじゃないか、そこに期待しています。


コロナ禍における飲食業界の未来


これからは、アンテナを高く張った人間の勝ちだと考えています。最初は飲食店もVACANも手探りでしょうが、もっとお互い考えて行動し続けることで、漫然と元に戻るのを祈って待つよりも、少しでも明るい未来が作り出せるのではないでしょうか。


少しでもお客様に安心して来てもらうために、きっとVACANが役立つ


今までの常識が通用しなくなった世界で、少しでも安心してお客様に来店していただく、そのためにVACANはきっとお役に立つことができます。VACANはボタンを押すだけなので操作も簡単、デジタル機器に不慣れな方でも抵抗がないような作りになっていますので、ラーメン巌哲様のような人気ラーメン店はもちろん、その他の飲食店でも幅広くお使いいただけます。